リンクスを科学する

遊戯王デュエルリンクスを理系的観点から考察するブログです

実力と運について

今回のテーマは『実力と運について』です。この2つの言葉は全く違うものに見えて意外とその違いを明確に説明することは難しいことだと感じました。ぜひ皆さんも一度考えてみて下さい。またこんな考えを思いついたよという方がいればぜひコメントやTwitterで教えていただけると幸いです。リンクスについて身になる話というよりは概念の話なのでそういうのが好きな方には楽しめる内容かなと思います。

 

【背景】
皆さんは実力と運についてどのように捉えているでしょうか。今回お話ししたいのはどんなゲームにも運が絡むという話です。
これを聞くと「100%実力のゲームもある。例えば将棋」という反論が出てくると思います。しかし、私は将棋も運要素があるゲームだと思っています。将棋の例は非常に分かりやすいと思ったので、今回はこれについて詳しく書きたいと思います。例によってこんなに長い文章読みたくないという方のために先に結論だけ書いておきます。

 

【結論】
将棋にも運要素がある。
何故なら、一手一手に自分の意図を超えたメリットデメリットが存在するからである。
言い換えると、ボクシングのラッキーパンチのようなものが将棋にもあり、たまに実力差を覆せるからである。

 

【導入】
そもそも実力と運ってなんでしょう。この2つの違いはどこにあるのでしょうか。運も実力のうちという表現があるくらいなのでそもそも考え方によってはこの2つを区別すること自体が間違っているという考え方もあるかもしれません。
これを明確にしないと話が進まないので考えていきたいと思います。(というより、これを明確にすることが答えかもしれません)

コトバンクの定義と、私の定義を両方載せておきます。

 

コトバンクの定義

・実力
1 実際に備えている能力。本当の力量。「実力がつく」「実力を発揮する」
2 目的を果たすために実際の行為・行動で示される力。腕力・武力など。「実力にうったえる」「実力で排除する」

・運
1 人の身の上にめぐりくる幸・不幸を支配する、人間の意志を超越したはたらき。天命。運命。「運が悪い」
2 よいめぐりあわせ。幸運。「運が向いてくる」「運がない」

 

●私の定義

・実力
実力とは、物事の成功率に関わる能力のことで、実力が高ければ高いほど物事が成功する確率は高くなる。

・運
運とは、実力と実際に得られた成果との差である。

 

まず実力について補足します。
ここで言っている物事の成功率というのは、これは例えばデュエルリンクスなら勝率、受験なら合格率と捉えて下さい。物事の成功率なんてそもそも存在するのかという反論をあると思いますが、一旦ここはそういうものがあるという前提で話を進めていきます。
次に運について補足します。
運には大きく分けて2つあると思っています。

①何をしても抗えないもの
②意図せず上手くいくこと、もしくは上手くいかないこと

①は例えばリンクスであればコインの表裏や自分の初手がどの4枚になるかなどは自分が何をしても、どんなに強いプレイヤーでも抗えません。
②は自分の意図を超えて正解の行動ができた時は運がいいと言えます。分かりやすい例だと先ほどにも述べたボクシングの「ラッキーパンチ」がこれに当たります。デュエルリンクスでいえば、「何か分からないけど勝てた」という経験がある人もいるのではないでしょうか。こういう運が味方についている時は、実力差を覆せることがあります。
それでは、実力と運の定義をしたところで本題に移ります。

 

【本題】
ここまで長かったですがようやく本題に入ります。
ここからは将棋を例にして説明していきますが、私自身将棋に特別詳しい人でもないので、間違っていることを言ってるかもしれません。話半分で読んで下さい。もし将棋のことに詳しい人が居たらコメントで感想を書いていただけると嬉しいです。
将棋とデュエルリンクスを比べた時に、将棋は実力100%、デュエルリンクスは実力と運が両方絡む。このように考えるのが自然だと思います。これに関して私も半分同意です。先ほど運の定義をした時に、運という概念を2つに分けました。①の観点から考えると、将棋にはリンクスの初手4枚のように、抗えないものがないため、運要素がないと言えます。厳密には振り駒で先手後手が決まるのでそこだけ抗えないですが、これについてまた細かく話すとそれだけで別の記事になりそうなので一旦無視します。
私が将棋にも運要素があると言っている理由は運の定義の②の部分です。自分の意図していないところで上手くいったり、上手くいかないことが将棋においてもあるからです。つまり、例えば羽生さんが指した一手一手にも羽生さんの意図を超えたメリット、デメリットが存在していて、そこは運の領域であるというのが私の主張です。
ちなみに将棋のトッププロ棋士でも通算勝率は6~7割程度であり、羽生さんでさえ7割程度です。同じくらいの実力同士のプロ棋士が戦えば勝率5割に近付くわけですが、そもそも実力ゲーと言われている将棋において勝率5割ということ自体が100%実力ゲーということと矛盾します。これが例えば先手が圧倒的有利なゲームで先手を決めるじゃんけんで勝負が決まっているために勝率5割になっているというなら話は別ですが、さっきも言ったように将棋は後手でも勝率は5割に近いゲームです。つまり、同じ実力同士でやれば将棋も運ゲーというのが私の考えです。本当の実力ゲーというのは同じ2人が戦ったら必ずどちらかの勝率が100%になるものだと考えています。

考察は以上となります。余談ですが、今のリンクスのKCカップでの上位陣の勝率は大体6割程度です。これは将棋のトッププロ棋士の勝率に近く、実力ゲーと言われる将棋と運要素も大きいリンクスでそこまで差がないのは興味深い事実だなと思っています。同じ戦略ゲームとして何か近いものがあるのかもしれません。

 

【まとめ】
将棋も運ゲー

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。